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どうしても体が硬くなるため、手足がつったり、ねんざ、肉離れなどを起こしやすくなります。
準備運動としては、屈伸、アキレス腕の連動、柔軟体操、首、手首、足首など全身まんべんなく、できるだけ時間をかけてください。
また、準備運動は体をほぐすだけでなく、血行を良くしますので、低温での作業のとき寒くなりにくいのでぜひ実行してみてください。
次に、実際に作業にあたるときの注意点をいくつかあげてみようと思います。
はじめに服装についてですが、防寒用のズボン、上着、靴、手袋を装着し、目出し帽を着用するか耳あてを着ける様にしましょう。
また、手袋は特に濡れやすいので、もし水分がしみてきたら面倒がらず、こまめに取り替えるようにしてください。
たとえ作業見込み時間が短いからといって、決して簡単な服装で入ってはいけません。
ときにはマイナス六〇度にも達する超低温の世界では、完全な防寒具をつけずに作業にあたることは不可能と心得ておいてください。
また、顔は露出する可能性が高く、温度低下のために筋肉をうまく動かすことができにくくなり、話をするときに舌がもつれたようになることがあります。
これを防止するには、例えばガムをかんで、願の筋肉を極力動かすよう努めるなどの工夫をするのも良いかもしれません。
さらに、体の末端部である、手、足、耳などは凍傷にかかりやすいので注意が必要です。
冷たいと思ったら決して我慢して作業を続けず、一度中断して冷えた部分を十分にマッサージし、血行を促進するようにしましょう。
冷えた部分を温水などで温めるよりマッサージの方が効果があり、また、作業に復帰したあとも寒くなりません。
もし、冷えてつめたいと感じたら、周囲の人がどうであれ、ためらわずに休憩をとってください。
作業中の凍傷はそのほとんどが無理をしたことが原因となっています。
もう一つ重要なことは単独では絶対に作業せず、必ず二人以上がひと組になって作業にあたり、時間を決めてローテーションを作り交代するシステムを作ることです。

 

 

 

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